
長崎保護観察所佐世保駐在官事務所
保護観察官 勝田 祐子
「佐世保白雲を担当して」
この紙面を一読いただいている皆様方には、日頃から、更生保護施設佐世保白雲に御協力や御支援をいただいていることに対し、深く感謝申し上げます。
さて、私は令和5年4月から2年間、佐世保白雲の「主任官」として、佐世保白雲の職員の皆さまとともに、活動させていただきました。女性の観察官が佐世保白雲を担当することは初めてだったそうで、佐世保白雲の歴史に少し足跡を残せたようで嬉しく、光栄に思っています。
今回、主任官としての所感をつづる機会をいただきましたので、2年間で私が得た気づきの一部を皆さまにお伝えしたいと思います。それは「人それぞれに更生するタイミングがある。」です。佐世保白雲に入所する人たちの大半は、何度も失敗を重ねてきた人たちです。
そんな彼らから、自分のことを省みる言葉や、自分に向き合ってくれる存在(佐世保白雲の職員)への感謝の言葉が出てきたら、良い方向に向かっているなと感じます。
ただ、逆もしかりで、誰かのせいにしているうちは、まだ先が長いなと感じます。ため息が出そうになります。そのようなとき、彼らにタイミングが訪れることを諦めずに、日々、向き合ってくださる佐世保白雲の職員の皆さまの姿勢を見て、私も諦めずに向き合おうと姿勢を正したことが何度もあります。
更生保護施設佐世保白雲に助けてもらい、立ち直っていった人たちはたくさんいます。そんな佐世保白雲が今後もその力をいかんなく発揮できるよう、紙面を一読いただいている皆様方におかれましても、引き続き、御尽力いただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。
令和6年度 「佐世保白雲」主な行事
観察所長初度視察(6.4.16)
梅木正吾長崎保護観察所長による初度視察が行われました。施設長による施設の概要及び収容状況等の説明の後、施設を見学されました。「息の長い支援のため、更生保護をより一層充実・発展させるため、今後、各施設・各機関と連携していきたいと思います。」とのお言葉をいただきました。

白岳町内合同奉仕作業(草刈り)(6.4.26)
作業内容及び注意事項の示達後、西九州道側道10号線約70mの区間、歩道と法面側から勢いよく伸びたヨモギや雑草等が生い茂り歩行に支障があるため、白岳2組自治会と調整し刈払いを実施。作業に参加した寮生は奉仕作業の趣旨を理解し、真摯な態度で取り組み終了後、自治会関係者からの感謝の言葉がありました。

春季レクレーション・避難訓練(6.5.26)
晴天の中「春季レクレーション」を計画し、併せて避難訓練を実施しました。まず、避難訓練として非常時にどのような経路で、どこに集まり、その後どうするかを話し合い、防災意識を高めました。急患発生時に使用できるようAEDの取扱法及び火災発生時の消火器による消火方法を学びました。

梅ちぎり(6.5.26)
避難訓練後、寮生及び職員で梅ちぎりを実施しました。昨年に続き害鳥被害により梅の実が少なく、期待していた量には至りませんでしたが、前年度と同量(10kg程)収穫ができました。収穫した梅については、日頃お世話になっている協力者の一部の方に渡し、美味しい梅干や梅酒に生まれ変わりました。

更生保護女性会による料理教室・食事会(6.6.22)
佐世保更生保護女性会3名による料理教室と食事会を実施しました。今回で4回目となり更女の方々と寮生も打ち解けた様子であった。今回は「料理のさ・し・す・せ・そ」とは何かとの質問があり。(答え:「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油、「そ」味噌)。料理をするうえで大事な「味付けの順番」とのことで、寮生は「おいしければ、どんな順番でもいいんじゃないか?」との声もありましたが、「この順番で味付けすると、よりおいしくなるんですよ。」と更女の方から説明がありました。会食中は更女の皆さんと相互交流を深めることが出来ました。

九州地方更生保護委員会委員長視察(6.6.27)
九州地方更生保護委員会の弥永理絵委員長が佐世保白雲を視察され、施設長による現状説明の後,施設内を見学され「綺麗に整備されていて、寮生にとっては生活しやすい環境ですね。」との所見をいただきました。

「ひまわり」咲き誇りました(6.7.3)今年も「花を咲かせようプロジェクト」に伴い、植え付けから管理まで行い、階段一面に綺麗な「ひまわり」が咲き誇りました。

避難訓練 (6.11.17)
防災意識の向上及び緊急時の避難行動ため、年2回避難訓練を行っています。前回の春に引き続き参加する寮生や初めて参加する寮生も各人、真剣な眼差しで訓練に臨んでいました。

秋季レクレーション・海軍墓地清掃(6.11.17)
秋晴れのなか、秋季レクレーションとして施設から天神町にある東山海軍墓地まで徒歩による行軍を行いました。日頃、運動不足の寮生が多いなか、約1時間の行程を歩き、海軍墓地では奉仕活動として清掃作業を行い、その後、施設管理者から墓地に関する太平洋戦争当時の説明を受けた後、それぞれ参拝後、徒歩で帰寮しました。

顕彰式典(6.11.27)
長崎市民文化会館において、更生保護活動に尽力された方々や功績のあった協力雇用主及び企業等の団体様に表彰状や感謝状の顕彰が行われました。富田副理事長、白雲職員の松岡補導員、伊志嶺補導員が表彰を受けました。

佐世保ライオンズクラブ衣類贈呈式(6.12.18)
ご多忙中、佐世保ライオンズクラブから、誠意ある沢山の衣類等を贈呈していただき、ありがとうございました。近年では高齢者・障がい者の入寮者も増えてきており、働くに働けず収入もなく生活保護に頼らざるを得ない現状のなか、衣類等の寄贈は本人達にとって大変有効な手立てとなっております。大変ありがたく活用させていただきます。

九州地方更生保護委員会:木下委員白雲見学(7.2.20)
九州地方更生保護委員会:木下委員、長崎保護観察所長:梅木正吾氏、山下統括保護観察官が来訪。施設長による施設の現状説明を受けた後、意見交換を行い、収容率向上のための施策やこれからの更生保護の在り方について多くの質問がありました。

理事会・評議員会(7.3.25)
長崎保護観察所長:梅木正吾氏、山下統括保護観察官に参列していただき、令和6年度第2回の理事会・評議員会を開催いたしました。令和7年度の事業計画及び一般会計収支予算書等の説明を行い各理事、各評議員から賛同を得ました。
