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懲役刑、禁固刑の廃止と拘禁刑の創設

2025年6月06日

2025年6月1日より、刑法の改正により「懲役刑」と「禁錮刑」が廃止され、新たに「拘禁刑(こうきんけい)」が創設されました。この改正は、1907年の刑法制定以来初めての自由刑制度の大改革であり、受刑者の改善更生と再犯防止を重視する現代的な刑事政策への転換を示しています。  

🔄 拘禁刑とは?

拘禁刑は、懲役刑と禁錮刑を一本化した新しい自由刑です。従来、懲役刑では受刑者に刑務作業が義務付けられ、禁錮刑では作業が義務ではありませんでした。拘禁刑では、刑務作業の義務はなくなり、受刑者の特性や事情に応じて、必要な作業や指導を行うことが可能となりました。これにより、受刑者一人ひとりに適した処遇が可能となり、更生支援が強化されます。   

📚 24種類の矯正処遇課程

法務省は、拘禁刑の導入に伴い、受刑者の資質や事情に応じた24種類の矯正処遇課程を新設しました。これにより、従来の犯罪傾向による分類を廃止し、より個別化された処遇が可能となります。例えば、年齢や障害の有無、依存症の有無などに応じた課程が設けられ、受刑者の更生を支援します。  

 執行猶予制度の拡充

刑法改正により、執行猶予制度も拡充されました。具体的には、再度の執行猶予が可能となる要件が緩和され、保護観察付き執行猶予中の再犯でも再度の執行猶予が認められるようになりました。ただし、再度の執行猶予期間中の再犯については、さらに再度の執行猶予は認められません。また、執行猶予期間中の再犯について公訴が提起された場合、執行猶予期間が満了していても、前の刑の執行猶予が取り消される可能性があります。  

🏛 刑事施設の体制見直し

拘禁刑の導入に伴い、刑事施設の体制も見直されます。従来の刑務作業を担当する部署と指導を担当する部署を統合し、「矯正処遇部」を設置することで、受刑者の更生支援を一元的に行う体制が整備されます。また、主要な刑事施設には「調査・支援部」を設置し、受刑者の出所後の生活支援も強化されます。  

このように、拘禁刑の導入は、受刑者の更生と再犯防止を目的とした刑事政策の大きな転換点となります。受刑者一人ひとりに適した処遇を行うことで、社会復帰を支援し、安全・安心な社会の実現を目指しています。

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